【マトリックス通信】 キャッシュフロー計算書から何が見える?

 

 【キャッシュフロー計算書から何が見える?】
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■□  戦略会計・DC・マトリックス会計 
■□   社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■   Vol.231 2010/02/09
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■先週は「間接法」で作成したキャッシュフロー計算書を
  ご紹介しました。
 
                  単位:千円
   ┌┬──────────────────┐
   ││税引前当期純利益       8,000
   ││減価償却費          5,000
   ││売掛金の増加額       ▲1,000
   ││棚卸資産の増加額      ▲5,000
   ││買掛金の増加額        4,000
   ││未払法人税等の増加額※    1,000
   ││法人税等の支払額※     ▲3,000
   │└──────────────────┤
   │【A営業キャッシュフロー】   9,000
   ├┬──────────────────┤
   ││固定資産取による支出    ▲10,000
   │└──────────────────┤
   │【B投資キャッシュフロー】  ▲10,000
   ├┬──────────────────┤
   ││長期借入金返済による支出  ▲2,000
   │└──────────────────┤
   │【C財務キャッシュフロー】  ▲2,000
   ├───────────────────┤
   │ 現金及び現金同等物の増減  ▲3,000
   ├───────────────────┤
   │ 現金及び現金同等物の期首残高 5,000
   │ 現金及び現金同等物の期末残高 2,000
   └───────────────────┘


  ◎「A:営業キャッシュフロー」において、
   一番上の「税引前当期純利益 800万円」に、
   どうして「減価償却費 500万円」を足すのですか?
  ◎「売掛金の増加額 ▲100万円」
   ・・・なぜ売掛金が増加するとキャッシュが減るのですか?
  ◎「棚卸資産の増加額 ▲500万円」
   ・・・なぜ棚卸が増加するとキャッシュが減るのですか?
  ◎「買掛金の増加額 400万円」
   ・・・なぜ買掛金が増加するとキャッシュが増えるのですか?
  ◎期首と比べてキャッシュが300万円減っているが、
   はたしてこれは良いのでしょうかか、悪いのでしょうか?

  「間接法」で作成されたものは
  「増減の途中経過」がよくわかりません。
  社長にとっては【とてもわかりにくい】帳表なのです。


■そこで今週は、直接法で作り変えてみます。
  直接法で作成する場合は「期中の仕訳データ」を使います。
  その中からキャッシュに関するデータのみを抽出します。
  そのため「仕訳のしかた」がとても重要になります。
  以下に示すキャッシュフロー計算書は直接法で作成したものです。
 
                  単位:千円
   ┌┬──────────────────┐
   ││営業収入           99,000
   ││営業支出          ▲87,500 
   ││(仕入、買掛金等の支出   ▲56,000)
   ││(人件費の支出       ▲18,000)
   ││(その他の営業支出)    ▲13,500)
   ││営業外支出(支払利息)     ▲500
   ││法人税等の支払額※     ▲2,000
   │└──────────────────┤
   │【A営業キャッシュフロー】   9,000
   ├┬──────────────────┤
   ││固定資産取による支出    ▲10,000
   │└──────────────────┤
   │【B投資キャッシュフロー】  ▲10,000
   ├┬──────────────────┤
   ││長期借入金による収入    ▲10,000
   ││長期借入金返済による支出  ▲12,000
   │└──────────────────┤
   │【C財務キャッシュフロー】  ▲2,000
   ├───────────────────┤
   │ 現金及び現金同等物の増減  ▲3,000
   ├───────────────────┤
   │ 現金及び現金同等物の期首残高 5,000
   │ 現金及び現金同等物の期末残高 2,000
   └───────────────────┘


■間接法で作成したキャッシュフロー計算書よりも
  少しわかりやすくなりました。
  大きな違いは「法人税等の支払額」です。

  間接法では「未払法人税等の増加額100万円」と
  「法人税等の支払額▲300万円」であったのに対し、
  直接法では「法人税等の支払額▲200万円」になっています。

  間接法で作成する場合、期中の仕訳データは一切使いませんので
  期中にキャッシュで支払った法人税等の金額がわかりません。

  同様に、売掛金がキャッシュで
  いくら回収されたかもわかりません。
  そのために「売掛金の期首と期末の増減」を使って
  「売掛金の増加額▲100万円はキャッシュが減少した」
  ということに、してしまうのです。

  ところが直接法では期中の仕訳データから作成しますので、
  キャッシュで支払った法人税等やキャッシュで回収した売掛金が
  明確にわかります。


■もうひとつの疑問、
  それはキャッシュフロー計算書の「表示の順番」です。
  どうして

     1.「営業活動によるキャッシュフロー」
     2.「投資活動によるキャッシュフロー」
     3.「財務活動によるキャッシュフロー」

  このような順番になっているのでしょうか。
  詳しいことはわかりませんが、
  キャッシュフロー計算書を作成する目的が
  【外部への報告書】だからかもしれません。

  もしこれを経営に活用するのであれば、

     1.「投資活動によるキャッシュフロー」
     2.「営業活動によるキャッシュフロー」
     3.「財務活動によるキャッシュフロー」

  この方がわかりやすい場合もあるし、

     1.「財務活動によるキャッシュフロー」
     2.「投資活動によるキャッシュフロー」
     3.「営業活動によるキャッシュフロー」

  この方が良い場合もあるでしょう。
  もしかしたら「収入」と「支出」だけのほうが
  わかりやすいかもしれません。


■ここで、会計人、経理マン、銀行マンの方たちに問題です。

  【問題】
   もらった手形を銀行で割り引きました。
   割引料を差し引いて90万円が当座に入金になりました。
   キャッシュが増えたわけです。
   では、この90万円は、
   キャッシュフロー計算書のどの部分に表示されるでしょうか。
     1.「営業活動によるキャッシュフロー」
     2.「投資活動によるキャッシュフロー」
     3.「財務活動によるキャッシュフロー」



■次週はいよいよ、
  マトリックス会計を使ってキャッシュフローを考えてみます。
  お楽しみに。
  

 

 

 


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