【マトリックス通信】 資金繰りを科学する

 

 【資金繰りを科学する】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□  戦略会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■   Vol.239 2010/06/03
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■今週のテーマは「資金繰りを科学する」です。

  企業にとって資金は血液そのもの。
  その血液の流れ方を
  大きく4つに分けて考えてみます。

  1番目は【売った代金の資金の流れ】です。
  2番目は【買った代金の資金の流れ】です。
  3番目は【人件費の支払い】です。

  そして4番目は【それ以外の資金の流れ】です。


■これらの資金は、それぞれ別々の動きをします。
  しかしそれらは「流れ方」が決まっているため、
  先々を計画(予測)することは
  けっして難しいことではありません。

  なぜなら、「資金が動く」ためには
  必ずその前提となる取引があるからです。

  その結果として
  資金繰りが苦しくなったり
  楽になったりするわけです。

  ですから資金繰りは
  【計画できるものである】
  ということになります。


■では一番目の「売った代金の資金の流れ」を見てみましょう。
  戦略MQ会計の「cPQ(キャッシュPQ)」に相当する部分です。

  主な中身は「日々の現金売上」、
  「売掛金を現金預金で回収した金額」、
  「受取手形の取立て額」、
  そして販売する前にお金をもらう「前受金」が含まれます。

  もらった手形を期日前に割引くのも「cPQ(キャッシュPQ)」に
  含まれます。

  これらの取引から発生する「資金の動き」は、
  販売した時点で【確実に】決まってしまいます。

  ※通常は決まる「はず」です。
   「うちの場合は売ったあといつもらえるかわからないよ!」
   というのであれば、それ自体が【大問題】ですから。

  「販売額(売上)の見込み」はなかなか立てられないのですが
  売ったあとの資金は確実につかめるのです。


■では二番目の【買った代金の資金の流れ】についてです。

  買った代金とは
  原材料仕入、商品仕入、消耗品購入、外注費代金など
  通常の取引のうち【掛けで購入したもの】、

  具体的には「買掛金の支払い」がこれに該当します。
  そのほかにも現金で仕入れたもの、
  支払手形の決済や仕入代金等の前払、前渡金などが含まれます。
  戦略MQ会計の「cVQ」に相当する部分です。 

  ※MQ会計ではFであっても、
   通常の取引でなおかつ掛けで購入したものは
   「cVQ」になります。

  三番目は給料や現金で支払う経費などの
  キャッシュの動きです。

  そして四番めがそれ以外のキャッシュの動き、
  たとえば借入金の返済や設備投資の支払いなどです。


■資金繰りを計画する場合、
  この大きな4つのカタマリで
  それぞれ資金の動きを考えれば、
  全体の資金繰りが見えてきます。

  そして、
  本当に経営に使える「キャッシュフロー計算書」や
  「資金繰り実績表」を作成するのであれば、
  次の点に注意して「日常の会計処理」を行う必要があります。

  もし読者が社長だったら、
  経理部が作成している日常の仕訳を
  一度「よく」見てください。

  決算書をキチンと作成するための仕訳は
  行われているのですが、
  資金計画までを意識して仕訳を行っている企業は
  なかなかありません。
  ですから多くの企業では
  「直接法によるキャッシュフロー計算書」が作れないのです。


■日々の会計情報を本当に経営に役立たせようとするなら
  経理が苦手な社長にでも理解できるように
  「内容がわかりやすい仕訳」を行わなければなりません。

  しかし多くの企業は
  「月次試算表や決算書さえできればいい!」
  というような会計処理を行っているです。

  よくあるパターンが
  買掛金を
  「商品仕入や原材料仕入に限定して使っている場合」です。
  「ガソリン代や消耗品などの経費を
  未払金や未払費用勘定で処理している場合」です。

  仕入であろうが経費であろうが
  通常の取引を掛けで購入するものはすべて「買掛金」を使います。


■なぜなら仕入であろうが経費であろうが
  請求締日や支払日は同じだからです。
  買った時点では仕入や経費に分けますが、
  買ったあとの支払いに関する処理は一緒なのです。

  ここで大事なのは
  ◎売った代金の回収額で買った代金を支払い
   そして給料や諸経費を払って
   借入金を返済して
   いくら残るか、
   いくら足りないのか

  なのです。
  それぞれの四つの資金の動きには
  規則があります。
  そしてそれらは容易に計算することができます。
  まさにこの先の「資金繰りを科学する」のです。


■年次あるいは月次の「損益予算(経営計画)」が決まったら
  あとは資金の動きを、この四つの固まりで考えることで
  資金計画は容易に立てることができるようになります。

  そしてそれは結果的に、、、
  なんと、、、
  来年のマトリックス会計表を作成する
  ことにほかならないのです。

  この方法で先々の資金繰りを計算しているのが
  「マトリックス会計表」、そしてマトリックス会計表から作った
  「直接法によるキャッシュフロー計算書」が ⇒ こちらです

  来年をマトリックス会計で考える?
  トンでもない!
  という方は
  ぜひ「戦略MQ会計」を学んでみてください。
  MQ会計の知識なしに
  いきなりマトリックス会計は
  さすがにキツイかもしれません。

  なぜなら、血液の循環を良くするには、
  まず黒字体質にすることが必須だからです。
  赤字体質を改善しないまま
  いくら輸血をしても
  企業は決して良くなりません。

  黒字体質に変えるために
  社長ご自身がMQ会計を【本気で】学んでみてください。
  MQ会計は社長のための【ヘッドライトシステム】なのです。

  次回も引き続き
  「資金繰りを科学する2」の予定です。
  お楽しみに。


  【資金繰りを科学する2】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■□  戦略会計・DC・マトリックス会計
■□   社長のための会計学 【 マトリックス通信 】
■■   Vol.240 2010/06/11
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■戦略MQ会計では
  利益Gは
  粗利総額MQと固定費Fのバランスで決まります。

  そして、
  「売上高PQと利益Gの間には相関関係はない」
  ということがわかりました。

  さらにそれは、
  科学的(数学的)に証明することができます。
  今週は、先週に引き続いて
  「資金繰りを科学する2」です。


■資金繰りを【科学】する?
  つまり「数学的に資金繰りを考えてみよう!」
  という試みです。

  戦略MQ会計では「企業方程式」
   PQ=VQ+F+G
  を使って、
  「利益感度分析」を行うことができます。
  戦略MQ会計は「要素法」です。

  では「資金繰り」でも同じように
  「要素法」を使って資金の感度分析ができるのか、
  じつは試してみました。


■資金繰りにおいても同様な方程式は確かに成り立ちます。
    cPQ=cVQ+cF+cG
  MQ会計では製品別、得意先別あるいはプロジェクト別など、
  単位ごとの「M×Q」が重要であるのに対し、
  一般的な企業における資金繰りを考えた場合、
  【得意先別】に限定されてしまいます。

  ここがMQ会計と資金繰りと、大きく異なる点です。 
  売上PQや粗利総額MQは、
  製品あるいは商品別に管理できますが、
  売ったあとのキャッシュによる【回収総額(入金額)】は
  製品別に分けても無意味だからです。


■では、売ったあとの「資金回収額」は、
  何によって決まるのでしょうか。
  それは、
  【取引条件】です。

  私はセミナーで、次のような話をします。
  ◎利益は決して会計の段階で決まるものではありません。
   ほとんどの場合は「見積り段階」で決まってしまいます。
   ですから、試算表や決算書を見て、
   「経費が多い」とか「売上が少ない」とか言ってみても
   始まらないのです。

  そうです。利益が出ない原因は
  「会計よりずっと前」にあったのです。


■では、資金繰りの場合はどうでしょうか。
  多くの会計人や銀行マンは
  「資金繰りが良い会社かどうか」を判断する場合、
  「決算書」を使います。

    ◎自己資本比率は高いか
    ◎当座比率や流動比率はどうか
    ◎売上債権の回転率、在庫回転率、買入債務回転率
    ◎そして固定長期適合率は、、、

  資金繰りは【フロー(流れ)】です。
  しかし、決算書の(B/S)は一時的な【ストック(残高)】です。
  ある地点の川の流れを測定して、
  川全体の流れを判定しているにすぎません。


■一番重要な資金(血液)の流れを
  会計情報、それもある時点の情報、
  たとえば、二期分の決算書から作成する、
  間接法によるキャッシュフロー計算書などの情報を頼りに
  資金繰りの良し悪しの判断はできません。

  資金繰りが悪い会社は、それなりに原因があります。
  たとえば「利益が出ているのに資金が足りない」という場合、
  税務会計で作成される数字だけを見ていても、
  その原因はわかりません。

  結果報告のために作成される今の決算書は、
  「このままでは危ない!」という
  警戒警報の役目は果たさないのです。


■はたして社長は
  資金繰り表から
  どんな情報を得たいのでしょうか?
  資金繰り表に何を求めるのでしょうか。

  その究極の答えが、
  【日次資金繰り計画表】です。

  資金繰りが苦しい会社は、
  当てにしていた入金が午前中になるのか午後に入るのかで
  計画が変わります。

  ですから、その日に予定していた入金がもし、
  入らなくても支払いができるような資金繰りの計画を
  立てなければなりません。

  そのためにはこの「日次資金繰り」は実践的な方法です。
  注)日次資金繰りの作成方法は、業種に合わせて個別に対応しています。


 ※近日中に「資金繰りを科学する3」を企画しています。
  日次資金繰り表で会社を見ると、、、   
 

 

 

 


    【この記事を読んでいる人はこちらも読んでいます】
    社長のための会計学 マトリックス通信

     ⇒ まずは現状分析 - あなたの会社の収益構造はどうなっていますか? -
     ⇒ Vol.331 【決算書が読めるって、どういう状態のことですか?】
     ⇒ Vol.332 【建設業の決算書からは・・・】
     ⇒ Vol.326 【変動費と固定費・管理会計とMQ会計】
     ⇒ Vol.317 【社長のために会計情報を活用する】
     ⇒ Vol.304 【赤字の会社、業績が伸びない会社/この先どうする?!】
     ⇒ Vol.300 【遅れている事務のカイゼンの実態】
     ⇒ マトリックス通信 【こんな税理士はいらない】

     ⇒ 最新バックナンバーはこちらから(別画面で開きます)
 

 

 

 


    【無料メルマガ】
    社長のための会計学 マトリックス通信

   ▼この先どうする!
     売上を増やすと、、、本当に利益が増えるのですか?
     経費を減らすと、、、本当に利益が増えるのですか?
     製造原価を下げると、、、本当に利益が増えるのですか?

   ▼経営指導した15,000社が黒字体質に変わった!
     『利益が見える戦略MQ会計(かんき出版)』の著者が書き下ろす
     社長のための会計学です。

     メルマガをご希望の方は  こちらからご登録いただけます
   

 

 

 
このページのトップへ